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2000年代のファッション:ルーズソックスから森ガールまで

厚底からムートン、盛り髪から森ガールへ。10年で反転した服の話。

2026年8月28日

2000年代のファッションは、10年でまとめて語れません。 前半と後半では、シルエットも色も、目指している方向も違います。 同じ10年のあいだに、細くて派手なものから、ふんわりして地味なものへ、輪郭が完全に反転しました。

時期ごとに分けて並べます。

2000〜2003年ごろ

1990年代の終わりの熱がまだ残っていて、いちばん振れ幅が大きかった時期です。

この時期のキーワードは「盛る」より「振り切る」です。 全身のどこかを極端にすることで成立していました。

2004〜2006年ごろ

反転が起きます。派手さから、上品さと女性らしさのほうへ一気に流れました。

雑誌のモデルが個人として有名になり、 「この人と同じ格好をする」という買い方が広まったのもこの頃です。

2007〜2009年ごろ

さらに二手に分かれます。極端に盛るほうと、極端に力を抜くほうです。

同じ年に、盛り髪の人と森ガールが同じ電車に乗っている。 2000年代の後半は、そういう時期でした。

雑誌が地図だった

いまと決定的に違うのは、流行の情報が月に1回しか来なかったことです。 発売日に買って、切り抜いて、次の号までそれを見る。 だから雑誌ごとに読者の見た目がはっきり分かれていました。

小学生〜中学生nicola、ピチレモン
中学生〜高校生SEVENTEEN、Popteen、Ranzuki、egg
大学生〜社会人CanCam、JJ、ViVi、Ray
2000年代後半小悪魔ageha(盛りの系統)

「どの雑誌を読んでいたか」を聞くと、当時の見た目がだいたい分かります。 自己紹介の話題としてもよく効きます。

覚えているブランド名

子ども向けブランドは、当時持っているかどうかで扱いが変わる種類のものでした。 筆箱や体操着入れに名前が入っているだけで話題になる。 いま思うと、ブランドというより所属の記号です。

制服の着方にも流行があった

校則との距離の取り方そのものが、ファッションの一部でした。 どこまでやるかで、その人の立ち位置が見える。 制服という同じ服の中でやりくりする、という点では、 携帯にストラップを付けていた話と構造が同じです。

いま戻ってきているもの

2000年代前半の要素は、いま「Y2K」という名前で戻ってきています。

戻ってきたローライズ、厚底、小さいバッグ、ラメ、ロゴ入り、細いサングラス
戻っていない細眉、ルーズソックス(形を変えて一部復活)、日焼け

面白いのは、戻ってくるときに当時の意味は付いてこないことです。 当時のローライズは「大人に見せたい」ものでしたが、いまは「懐かしくてかわいい」もの。 同じ形なのに、着ている理由が違います。

写真が残っていない

2000年代のファッションを思い出そうとすると、多くの人が同じ壁にあたります。 その頃の全身写真が、ほとんど無いということです。

撮っていたのはプリクラか、携帯のカメラか、フィルムのカメラ。 プリクラは顔しか写らず、携帯の写真は機種変更で消え、フィルムは実家のどこかにあります。

だから服の話は、写真ではなく言葉で交換するしかありません。 「ルーズソックス」と言えば長さも糊も全部伝わる。 共通の記憶がある相手には、単語ひとつで十分だったりします。

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