たれぱんだ、こげぱん、リラックマ。何もしないことが好かれた10年。
2026年8月28日
2000年代のキャラクターには、はっきりした傾向があります。
だらけている。何もしない。表情がない。
強くもなく、明るくもなく、特技もない。 そういうキャラクターが立て続けにヒットした、めずらしい10年でした。
1990年代の終わりから2000年代にかけて、 「ゆるい」「力が抜けている」ことを売りにしたキャラクターが次々に出ます。
リラックマの設定は、いま読んでもかなり強いです。 着ぐるみで、背中にファスナーがあり、他人の部屋に勝手に住んでいて、 働かず、掃除もせず、寝ている。それが好かれました。
よく言われるのは、当時の空気との関係です。 景気が悪く、就職も厳しく、頑張れという言葉が効かなくなっていた時期に、 頑張らないことを肯定してくれるものが求められた、という説明がよくされます。
本当にそれだけが理由かは分かりません。 ただ、これらのキャラクターが並べて売られていたのが文房具売り場だったことは確かです。 勉強道具に「何もしないくま」が付いている。 その組み合わせ自体が、当時の気分をよく表しています。
ご当地ものは、集めるために旅行の話をするという遊びを作りました。 行った先で1個買って、ストラップに付ける。 どこに行ったかが持ち物で分かる、というのは今のSNSの投稿と同じ働きです。
一方で、動かして遊ぶキャラクターも別の系統として続いていました。
| 育てる | たまごっち、デジモン。世話をしないと状態が変わる |
|---|---|
| 戦う | ポケモン、ムシキング、カードゲーム |
| 集める | ガチャ、シール、ご当地もの、おまけ |
たまごっちは1990年代の大流行のあと、 2000年代の半ばに通信のできる形で戻ってきます。 本体どうしを近づけて交流させる、という遊び方が加わりました。
2000年代のキャラクターは、グッズ売り場よりも持ち物の表面にいました。
好きなキャラクターは、口で言うものではなく、持ち物で表明するものでした。 筆箱を見れば分かる。だから何も言わなくても伝わります。
この「持ち物で自分を説明する」やり方は、 そのあと携帯のプロフィールページに移りました。 好きなもの欄に名前を書く、という形に変わっただけで、やっていることは同じです。 その移り変わりは 2000年代の「プロフ」は、なんだったのか に書いています。
この時期のキャラクターは、意外と多くが現役です。 リラックマ、シナモロール、カピバラさん、まめゴマ。 20年たっても店頭にいます。
脱力系のキャラクターが長生きしているのは、 設定がほとんど無いからだと思います。 物語がないので古びない。何もしないので、時代に合わなくなることもない。 たれぱんだが遅いことは、2026年でも遅いままです。
自己紹介に好きなキャラクターを1つ書いておくと、話が続きやすくなります。 知っている人には「持っていたもの」の話ができて、 知らない人には説明する話ができるからです。
とくに2000年代のキャラクターは、同世代なら高確率で当たります。 名前を出した瞬間に、相手の筆箱の記憶まで一緒に出てくる。 そういう強さがあります。
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文房具から音楽まで7つに分けた総まとめ。
ミルキーペン、缶ペンケース、紙のプロフ帳。
携帯で作ってURLを回していた自己紹介ページ。